建築小話1 ~びんたのばし~

あっという間に6月になりましたね。
なんだかあっという間に今年も中盤戦となってしましました。

ところで今日は建築の小話でも

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木造建築で真壁、大壁というのがあるのですがご存じですか。
真壁というのが柱や梁が隠れないように壁を納めているつくり方で
大壁というのが柱や梁の上から壁材を納め、柱や梁が見えないつくり方のことです。
上の写真でいうと、柱より左側が真壁(梁が見えていますよね)、
柱より右側が大壁(梁が白い壁で隠れていますね)となります。


真壁工法で木の組みをどうやって美しく見せるかが木造建築の醍醐味なのではと思っております。
木の持つ調湿効果も期待できます。
大壁で壁と天井で木の構造体が隠れていたら何で造っているか分からないですしね。

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木造住宅の設計をやってから初めて知ったことがあります。
そのひとつに「びんたのばし」というのがあります。
上のスケッチを見てもらえたらと思いますが、大黒柱など梁の幅より柱の方が大きい場合、
右の図のように梁の下で切りません。
左の図のように梁幅よりはみ出た部分を延ばします。
これをびんたのばしと言うそうです。

最近では大壁が主流となり、大黒柱がなくなり、なかなかこういう納まりを見ることが出来ませんが、
大黒柱を見つけたら上を見上げてどの様に納めているかチェックしてみてください。

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ちなみに上の写真、手前の柱2本はびんたをのばすためのもの。
長さは後で調整しました。

以上建築小話でした。

 

 

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