逝きし世の面影より

先日2ヵ月まちで手元にやってきた本を読み始めました。
「逝きし世の面影」です。
江戸時代後半に日本が開国してから来日した外国人の目を通してみた
日本の国のことについて書かれております。
私が想像していたより違った一面を見ることが出来て大変興味深い本です。
600ページ近くあるのでかなり読みごたえがあります。

この本の中から特に印象に残った文章を2つ紹介します。

「ヨーロッパ人にとっては、芸術は金に余裕のある裕福な人々の特権にすぎない。
ところが日本では、芸術は万人の所有物なのだ」

これは日本の下級階級の人々が持つ家庭用品、個人用品にも職人技の光る美しい仕上がりである
ことから発せられた言葉です。
畳に関しても「絹を織るようにつくられている」と書かれてます。
現在の日本では日用品の多くが100均商品に取ってかわられ、芸術を感じる日用品が少なくなっていると思います。
消耗品はいいにしても日常使う食器等は少なくてもいいから使い捨てのものでなく、
職人の技の感じる大切にしたいものを使いたいものですね。
そしてせめて一室でも住宅に畳の部屋を設けてほしいと思います。

「芸術と自然とが相互に与えあっている美を日本の建築家ほど理解できた者は誰もいなかった」

こういう建物がすでに江戸時代にあったのだということにとても感銘を受けました。
もう少し日本の建築デザインの歴史を知り、現在の技術をふまえつつ
今の建物に取り入れていくことが出来ればと思った次第です。
またこのように言ってもらえる建築家に少しでも近づける様、
日々努力していきたいと思う今日この頃です。