設計すること

今年も残すところあと僅かとなりましたね。
まだまだ低空飛行ですが、地味に活動しております。

先日、ようやく見積図を施工者の方に提出してきました。
今までお施主さんと打合せしながらまとめてきた図面を提出するのは
とても大げさにいうと父親が娘を嫁に出すような心境でしょうか。


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1軒の家を設計するのに書く図面って結構あります。
実家が大手ハウスメーカーで建てた家なのですが、
図面枚数も少なくあっという間に設計出来て工事が開始されたので、
「なんでこんなに時間がかかっているの?」と疑問を持たれる次第です。

例えば建具ひとつとっても既製品でなくやろうとすると、
材質、塗装、取手や鍵等たくさんある種類の中から選ぶので結構な重労働なのです。

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また最近では熊本地震のこともあり、耐震性を気にされる方、温熱環境に配慮した家をという
方が増えたように思います。
ネットでもいろんな情報が出ていますしね。
そんな中、建築基準法で満たさなければならない基準を満たすのはもちろんですが、
もう一歩踏み込んで耐震等級3を満たす壁量を確保したり、
偏心率という重心(建物の中心)と剛心(建物の強さの中心)のへだたりのねじり抵抗に対する割合を示した
数値を木造ですと0.3までとなっておりますが、0.15目指して壁の配置をするなど配慮しました。
またN値計算をして柱に取付ける金物を計算してます。

温熱環境についてはUA値(外皮平均熱貫流率)やQ値、
冷房時、暖房時の平均日射熱取得率を計算し、
規定の値を満たす様計算をしています。
断熱性能を示すUA値やQ値は全体面積の10%程度の開口部が占める割合が多くなってます。
開口部(窓)が小さい家や開口部の性能を上げると断熱性能は上がってきますが、
冬に日射を取り入れることも重要で、出せるお金のこともあるので、
バランスをとった設計をすることを心掛けてます。

技術的なことはもちろんのことデザインのことも考え設計するので
設計図をまとめるのに時間が掛かってしまいます。

来年も引き続き、ひとつひとつ丁寧にいろんな検討を重ねながら建物づくりをすることが出来ればと思っております。
よいお年を。


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