伝統木構造について学ぶ

ちょっとご無沙汰しております。あっという間に9月になってしまいましたね。
9月初めの週末は伝統木構造の会が主催する伝統構法のセミナーに行ってきました。

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まずは古川設計室の古川さんが「熊本、現地からの特別報告」ということで、
伝統木構造の建物が今回の地震でどのような被害にあったのかを説明。
ある酒蔵では大工さんをはじめとする多くの方たちのボランティアのおかげで応急措置が速やかに行われたとのことです。
地震にも耐えた伝統的な木造建物が取り壊されることなく、また元の姿に戻ってほしいものです。

次に筑波大学名誉教授の安藤邦廣先生から「今、伝統構法を守るために何をすべきか」ということでお話された。
木造住宅の木の使い方からみる歴史の変遷等面白いお話を伺うことが出来ました。
今度はどのような木づかいになっていくのか…のヒントが歴史の中にあるのかもしれませんね。

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次に安藤先生をコーディネーターとし、5人のパネリストをはさんでパネルディスカッション。
伝統構法を守るためには作り手である職人さんの存在が欠かせません。
今の若い方たちにどうこの伝統的な職人の技を継承していくか…
いろんな職人さんの手によって建物が造られていること、職人さんの素晴らしい技術を
小学生をはじめとする子供たちにも見せていくことなどのお話をされていました。
最後に質疑に挙手をした大工見習いの若者が「この仕事が面白いです」と高らかに宣言して終わったのが
印象的でした。

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私達設計者も伝統構法のことについてはまだまだ分からないことが多いです。
伝統構法の事をもっと良く知ることは今ある伝統的な建物を残していく上で特に
必要となってくるかと思います。
設計者として少しでも価値ある伝統的な建物の良さを今の時代に沿ったかたちで
残していく手助けが出来ればと改めて思いました。